「57歳薬剤師がAIで作る側になるまでの記録」第4話
前回の記事では、新店舗の集客のためにブログを書き始めた話を書いた。
店のことを書いても意味がないと思っていた私が、患者さんが検索する言葉を考えながら記事を書くようになった頃の話だ。
しかし、その頃の私は別の問題も抱えていた。
新店舗は思った以上に暇だったのである。
病院も新規。
薬局も新規。
当然ながら患者さんは少ない。
待ち時間もほとんどない。
忙し過ぎて困ることはなかったが、逆に「この時間をどう使うか」を考えることが増えていった。
そんなある日、私は患者さん向けの待ち時間対策について考え始めた。
待ち時間対策をChatGPTへ相談した
何かできることはないだろうか。
雑誌を置く。
健康情報を掲示する。
色々考えてはみたが、どれも決め手に欠ける。
そこで、何気なくChatGPTへ相談してみた。
「患者さんの待ち時間対策で何か面白いことはできないだろうか」
すると返ってきた答えの一つが、
「簡単なミニゲームを作ってみてはどうですか」
だった。
正直なところ、その時は冗談かと思った。
私は薬剤師であってプログラマーではない。
ゲーム開発など考えたこともない。
しかし、ChatGPTは平然とコードを書き始めた。
「いや、本当にできるのか?」
そんな気持ちだった。
CodePenで本当にゲームが動いた
ChatGPTが出力したコードを試すために使ったのがCodePenだった。
言われた通りにHTMLやJavaScriptを貼り付ける。
そして実行ボタンを押す。
すると画面の中でゲームが動いた。
その瞬間は今でも覚えている。
「おおー、凄い」
本当にそんな声が出た。
もちろん大作ゲームではない。
単純なミニゲームだった。
それでも、自分では一行も書けないコードが形になり、しかも動いている。
当時の私にはかなり衝撃的だった。
当時作ったゲームは、後にWordPressへ移植し、「処方箋キャッチチャレンジ」として公開した。
制限時間20秒のシンプルなミニゲームだが、私にとっては初めて「動くもの」を形にした記念すべき作品である。
問題は患者さんに見せる方法だった
ゲーム自体はできた。
しかし、そこで新たな問題が出てきた。
患者さんにどうやって見てもらうのか。
CodePen上で動くだけでは意味がない。
私は当時、薬局のアメブロを書いていた。
できればそこからリンクして患者さんに遊んでもらいたい。
しかしCodePenだけでは少し使い勝手が悪かった。
リンク先として見せるには物足りない。
どうせなら薬局のホームページ側で公開した方が良いのではないか。
そんなことを考え始めた。
今思えば、ここが大きな分岐点だった。
WordPressへ持ち込むことにした
そこで私はWordPressへゲームを設置することを考えた。
今なら当たり前のように聞こえるかもしれない。
しかし当時の私は何も分かっていなかった。
WordPressにどう設置するのか。
どこへコードを書くのか。
何を触ると壊れるのか。
まったく分からない。
だからChatGPTへ聞く。
やってみる。
エラーになる。
また聞く。
修正する。
もう一度試す。
その繰り返しだった。
正直、CodePenで動かすよりも、WordPressへ持ち込む作業の方が何倍も大変だった。
それでも少しずつ形になっていく。
その過程は不思議と面白かった。
私はプログラマーではない
誤解してほしくないのは、私はプログラマーではないということだ。
本業は薬剤師だが、以前は通販事業も運営していたので、WordPressやHTMLに多少触れた経験はあった。
ただし、それはあくまでもサイト運営の範囲である。
簡単な修正なら何とかなる。
しかし、自分でプログラムを作ったり、JavaScriptを書いたりするようなレベルではなかった。
ゲーム開発などもちろん未経験である。
それでもChatGPTに質問しながら進めていくと、少しずつ形になっていった。
今振り返ると、この時に学んだのはプログラミング技術そのものではなかったと思う。
分からないことがあっても、とりあえず試してみる。
エラーが出たら原因を聞く。
直してまた試す。
そんな進め方だった。
実際には、ChatGPTと二人三脚で作業していたようなものだった。
ゲームが作れるなら他のプログラムも作れるのではないか
WordPressへの設置ができた頃、私はあることを考えるようになった。
ゲームが作れるなら、他のプログラムも作れるのではないか。
もちろん当時は本格的な開発を考えていたわけではない。
しかし、それまでの私は完全に利用者側だった。
便利なサービスを使う人。
誰かが作ったものを利用する人。
その認識が少し変わった。
もしかすると、自分でも何か作れるのかもしれない。
今思えば、その発想の変化こそが一番大きかった。
ゲームが完成したことよりも、
「自分にも作れるかもしれない」
と思えたことの方が重要だったのである。
この時はまだAIツール開発が始まるとは思っていなかった

もちろん、この時点では何も始まっていなかった。
AI占いもない。
AI副業診断もない。
プロンプト生成装置もない。
現在テスト運用中のSearch Console分析ツールもない。
限定公開しているGOF(Global Opportunity Finder)もない。
まだ何も存在していなかった。
ただ、患者さんの待ち時間対策としてゲームを作ろうとしていただけだった。
それが結果的に、
「作る側」
への入口になった。
今振り返ると、CodePenでゲームが動いたことよりも、WordPressへ持ち込もうとしたことの方が大きかった気がする。
もしあの時、
「動いた。面白かった」
で終わっていたら、その後の流れはなかったかもしれない。
利用者として終わっていた可能性もある。
しかし私は、なぜかそこから先へ進んでしまった。
そして今では、次々とAIツールを作るようになっている。
すべての始まりを辿ると、あの新店舗の暇な時間に行き着く。
患者さんの待ち時間対策を考えていただけだった。
ただ、それが結果的に私自身の未来を少し変えることになったのである。

